ー朝比奈sideー




目的地に近づくにつれ

私の心臓の音は大きくなる。




気持ち悪い。




落ち着こうと思い
必死に深呼吸をしてると



「…ちょっと休もっか」



彼はそういった。


翼くん、だっけ?



近くのベンチに座らせてくれた。

そんな時でも、彼は私の手を離さない。




私が、不安になってるのわかるのかな…





人に触れてると心が落ち着く。


温かい気持ちになる。



この心地いい手が、私に勇気をくれる。