「ま、また行くんで、あの公園…。」



彼女の手を振り払うように家を出た。





なんとかしなくちゃ…


暗くなってきた道を歩きながら
俺は思った。



死んだ兄貴をいつまでも思ってくれる人がいるのは
幸せなことだ。



でもそれじゃダメだろ。


きっと今の彼女は幸せじゃない。





朝比奈さんのために
何ができるのか




1つだけ、ある…。


あそこへ行くことで
今より状況が悪化するかもしれない。



でも…


少しでも前に進めるきっかけになるのなら…。




なんとかする。

朝比奈さんのためにも、優斗のためにもー。