記憶を遡り、思い出す事に集中する。 あとちょっとまで、きてんだけどなぁ… えーっ…と 「あっ、朝比奈(あさひな)さん!」 彼女は顔を上げた。 その顔は驚いたような、悲しいような 複雑な表情に見えた。 「朝比奈さん…ですよね?俺のこと覚えてない? …つっても、数回しか会ったことないんだけど」 俺の顔をじっと見つめるが どうやら思い出せないようだ。 というか、声をかけたことすらないんだ。 当然か…。