イベント会場は電車を乗り継ぎ、1時間程行った駅の近くにある、コンサートなどでも使われているホール。
ここまで校区から離れていれば、知り合いに会うことはまずない。
受付を済ませて周囲を見回しながら待ち合わせ場所としていた場所に辿り着いて携帯を開いた。
私は乗り継ぎをするたびに、結城君をどうにか撒こうと思案して、最後の乗り継ぎで見事作戦を完遂した。
私は意気揚々と、1人で入場してきたわけで、最早懸念事項は無くなった。
「お待たせ、雅」
スポーツバックを下げて駆け足で近寄ってきたのは、中学の時から共にコスプレを楽しんでいる、皐月。
「ごめんね、毎回こんな遠くで」
「いいの。私も会社の人にはバレたくないから」
顔の前で手を振ると、夏を楽しんだのか二の腕のあたりで2色になっている肌の色が露わになった。

