思わず立ち止まったけど、鼻で笑って言い返してやる。
「バラしたら、結城君の悪事もバラしてやるんだから」
ふふん、どうだ。
大人気ないとわかっていても、大口だけは叩いておかないと、すぐに言いくるめられてしまうのが関の山。
これで何も言えまい、と高を括っていると結城君は余裕の笑みを浮かべた。
「俺が煙草吸ってるって、先生の言うことを信じてくれたとして、俺は訓告処分か停学が数日ってところ。言い訳もいろいろパターンはあるし。でも、先生の方はどうかな」
「コスプレなんて、趣味の一環だもの」
よしよし。まだ、負けじと言い返せられる余裕がある。
「でもさあ、コスプレって結構な偏見もあるだろうし?そんなの、PTAが黙ってるのかなぁ?」
私が唇を噛んでいると、結城君は勝ち誇った顏で「それでも逃げるならどうぞ?」と扉を閉めて部屋に入って行った。
わかっていたけど、この秘密の共有は断然私の方が不利に働いている。

