はずだった。気持ちの中では。
「馬鹿なの?そんなのにひっかかるわけないじゃん」
ガッチリと結城君の手に捕らえらた私の腕。
とりあえず、引き抜こうと試みたけど結城君の手はそれを許さず、私の腕を捕らえたまま。
「あのー、離してくれませんか」
「俺も行きたい」
「あのね、結城君が言っても全然楽しくないと思うの。素人には刺激が強い世界よ」
「ちょっと待ってて。着替えて来るから」
「だから、連れて行くなんて一言もいってないでしょ!人の話を聞きなさいよ!」
構わず結城君が自分の部屋に戻って行く背中に訴えて、扉が閉まった瞬間これはチャンスだ、と踵を返した。
「あ、逃げたらバラすから」
私の行動などわかっていたかのように、もう1度扉を開けて、顔を出すなり釘を刺す。

