完成させた衣装を身に付け、鏡の前に立ってみる。
縫い忘れも無いし、ほつれも無い。露出し過ぎてる事も無いし、うん、完璧。
決めポーズを取ってみたりして、私は徐々にそのキャラクターになりきる。
このキャラクターの変身前の姿は冷戦沈着な優等生だ。
結城君の女の子バージョンってところ。
ただ、彼女が隠しているのは魔法戦士の一員だということ。
しっかりと自分の意見を持ち、困っている人を助け、多彩なボキャブラリーで相手を改心させようともする、意外と熱いところもある。
憧れのキャラクターの衣装を着ると、私もそのキャラクターになれたように思える。
教師が社会に順応するための擬態化とすれば、コスプレもまた、自分を保つための私の擬態部分なのだと思う。

