擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~



演劇部の舞台の日は良く晴れた真夏日だった。

市民小ホールを借りた舞台は前もって生徒から受け取ったチケット無しでは入れないことになっている。

部員の家族はもちろんのこと、地域住民にも配ったりしているとすぐにチケットが無くなってしまう盛況ぶりらしい。

受付の1年生部員も顔見知りで、その女子生徒は笑顔で入口を掌で案内してくれた。

小ホールは正面に幕が下りた舞台が鎮座し、映画館のような席が後ろになるに連れて、階段上になっていた。

席次が書かれた場所は3列目のど真ん中。

きっと、特等席を用意してくれだんだろうと思ったのは座ってみるとただ前を見ただけで舞台の高さと同じだったからだ。

近いと首が痛くなるし、後ろだと誰が誰だが分かりにくい。