思い切り、足を突き出して苛立ちの根源を蹴ったつもりでいると、それが距離を身余って壁にぶつかった。
そしたら、壁の向こうから仕返しのようにドンッと音が返ってきた。
やばっ。
跳ねるように起き上がると同時に小石みたいなものが窓に当たる音。
窓を開けると、案の定結城君が顔を出していたけど、今日は煙草は咥えていなくて安心した。
「うるさいんだけど」
「ちょっと、壁に当たっちゃって」
「その前からうるさかった」
「聞こえるの?」
「なんか、ガシャガシャ鳴ってた」
私がベットで暴れるから、ベットが音をたてて移動したんだろうと思った。
「これ、できたよ」
ベランダを介して渡された紙袋の中を確認すると、前回渡した型紙とその通りに切られた布地が入っていた。
「え、もう?」
「もう?って量はそんな多くなかったし」
「器用だねー」
「大抵のことはね」
謙遜もしないとは、可愛くない奴め。
「あと、俺ができることある?」
「うーん、あとはミシンで縫って微調整するくらいだからなぁ」
「それは流石に無理だね」
「ありがとう、あとは任せて」
「そうする」

