伊丹先生は美術部の顧問も兼任しているせいか、演劇部にはあまり顔を出さない。
演劇部の部長がしっかりした3年生なので任せきりといった感じだ。
だから、私が気負っていた程、伊丹先生との絡みが少なかったことに安堵していたのに、私の知らないところで、いびり続けていたなんて嫌な感じだ。
「じゃあ、他の先生達にも私が衣装作りを手伝っていること、知られたってことですよね?」
「大丈夫ですよ。皆またか、って感じだから一緒になって芹沢先生のことを悪く言ってる人はいないですから」
そういうことじゃなかったんだけど。
衣装作りからコスプレしているところにまで辿り着けるとは思えないけど、あまり口外するつもりもなかった。
不本意に知られてしまい、僅かながらに私の不安を煽る。
「芹沢先生は負けないでくださいね」
「”は”ってどういう意味ですか?」
「伊丹先生の攻撃に耐え兼ねて、鬱みたいになった先生もいたんで」
美原先生はいつものようにあっけらかんとした口調で、身震いしたくなる過去を語った。
やることはたくさんあるのに、教師同士のいざこざなんて、ほんと迷惑な話だ。

