「見ないでよ」
「見てないっ!!」
結城君はケラケラと笑い、すぐに「はい」とシャツを私の目の前に差し出した。
振り向くと、結城君はバスタオルを巻いていなくて、白いTシャツ姿で足を伸ばしてテレビの方向を向いていた。
「何見てんの?」
「え?」
「あー、そっか。ごめんね。普通、中にTシャツ着てるからね」
な、何がごめんね、だっ!!
「期待させて、ごめんね?」
「してないからっ!!」
考えればすぐにわかることだった。
制服の下には白いTシャツを着ることが校則となっているのに。
結城君は笑いながらテレビの画面に視線を戻した。

