擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~



自己嫌悪に陥っていると、結城君が立ち上がってネクタイを外し、上まできっちりと閉めていたボタンに手をかけた。

「なっ、なななな、何してんの!」

「え?縫ってくれるんでしょ?脱がないと無理じゃない?」

「いきなり脱がないで!」

「期待しちゃうから?」

結城君は屈んでにんまり、と憎たらしく口角を持ち上げて私の顔を覗き込んだ。

「違うってば!!ちょっと待ってなさい!」

わざとらしく足音を立てて、部屋を出ると、洗面台の横の引き出しから1番大きめのバスタオルを持って、結城君に投げつけた。

「これに包まってて!」

「もう、そんな怒んなくてもさー」

口を尖らせながら、そのままボタンを外すので慌てて私は後ろを向く。