「先生って、どこでコスプレとかしてるの?」
部屋にあげたからには、お茶でも出さないと、と思い立って結城君にクッションを渡してそこから動かないで、と指示をした。
キッチンでコーヒーメーカーを作動させていると、結城君が何かを探すように部屋の中を見回している。
「それ、今言う必要ある?」
「興味本位。テレビでやってるよね。そういうイベント。あの中に先生がいたりするの?」
お察しの通りではあるけど、私は聞こえないふりをした。
「ふーん、そうなんだ」
何も言わないことを肯定と受け取った結城君は勝手に納得している。

