結城君の綺麗な横顔が至近距離にあって、思わず目を逸らす。
あー、もう、何でドキドキしてるかな、私。
色素の薄い髪の毛に色白で整った顔立ちはアニメの主人公として登場してもおかしくないからだ。
本当に本当に降ろしてほしい。
今なら恥ずかしくて死ねる。
誰ともすれ違いませんように、と祈りながら僅かな抵抗に、両手で顔を覆った。
「何してるの?」
「恥ずかしさと嫌悪感が酷いから今すぐ消えたい衝動に駆られているの」
「穴があったら入りたい、ってやつ?」
「穴があったら私をそこにぶち込んでくれるかしら」
「あー、はいはい、割と元気そうで良かったよ」
結城君は私の提案を適当にあしらいながら、どんどん前へ進んで行った。

