首を傾げていると、結城君は縁に両手をかけて身を乗り出した。
「えぇ!?ちょっ、待って!危ないから!」
結城君は体を持ち上げ、今度は縁に足をかけた。
「逆に危ないから、騒がないで」
「死んじゃうってば!」
「死なないようにしてるから、静かにして」
狼狽えながら、結城君が華麗にこちらのベランダに乗り移ってくるのを見守った。
「ほら、死なない」
「やめてよ、心臓に悪い」
「心配してくれたの?」
「当たり前でしょう!?」
「ふーん。でもそれは、生徒だから?」
「生徒だからとか関係ないでしょ!」
「だよね。俺もそう思う」
結城君は私を引き寄せると、両手で私の体を包み込んだ。
「先生とか関係なく、俺は先生のことが好き。俺じゃ、ダメ?」
わざとだろうか。
耳元で、囁くように優しい声で私を惑わせる。
「だっ、ダメに決まっ・・・」
顔を上げて抗議しようとすると、結城君の唇に言葉が吸い込まれた。
短いキスの後、結城君はフッと小さく笑った。
「生徒とか関係ないんじゃなかったの?」
「い、今・・・、キス、したの・・・?」
「わからなかったの?それなら・・・、もう1回してあげる」
不敵な笑みを浮かべて、また私の唇を塞ぐ。
背中に回された手が私を逃さないように、力が込められて、
今度はゆっくりと、私の唇を割って入ろうとしてくる。
「んっーー!!」
結城君の胸を拳で何度も叩いて、やっと唇を離してくれた。
「強情だなぁ。ちょっとくらい、口開けてくれないかな」
「なっ、何言って・・・!!」
「スキあり」
笑った結城君にまんまと嵌められた。
一瞬にして口内に侵入してきて、激しく犯してくる。
頭が、ぼうっとしてきた・・・。

