部屋に着くなりベットに飛び込んだ。
そうしたら、思い出して涙が出てきた。
きっと、佐久間さんには理解されない。
コツン、
コツン、
窓の方で音がする。
うるさい・・・。
また、結城君が小石を投げ入れているんだろう。
今は誰にも会いたくないし、話したくない。
コツン、
ゴツン、
ゴッ、
徐々に音が鈍くなっている気がする。
無視して目を瞑ると、また鈍い音。
心なしかさっきよりも、また大きな音になってる気がする。
そう思って、一瞬で蒼ざめた。
このまま放置していたら、窓が割られるかもしれない。
窓際に近づくと、案の定転がっている石の大きさが明らかに大きくなっている。
ふと、顔を上げると、隣から石を振りかぶっている結城君が目に入って慌てて窓を開けた。
「やめてよ!割れたらどうしてくれるの!?」
「無視するから悪いんじゃん」
「そういう気分じゃない時もあるの!」
「泣く程、悲しいことがあったから?」
「っ・・・」
だから、会いたくなかったのに。
電車で会った時もそうだ。
いつも、結城君はタイミングが悪い。

