「・・・知ったことじゃないって・・・。教師のセリフ?」
「知ったことじゃないもの」
今度ばかりは折れてあげるつもりは無い。
結城君はまた、溜息を吐いた。
でも、さっきとは明らかに雰囲気が違う。
その証拠に、あの綺麗な笑顔を向けたから。
「やれるもんならやってみれば」
表情とは裏腹に挑戦的な言葉。
だけど、いつものような棘を感じることはなかった。
「俺が更生して裏表が無くなったら、困るのは先生の方なのわかってる?」
「生徒が更生することに、何を困るって言うのよ」
「俺には秘密が無くなるわけだから、先生の秘密まで俺が守っておく義理は無いんじゃない?ってこと」
「なっ・・・!卑怯者!墓まで持って行ってよ!」
「大袈裟だなぁ」
「それほどのことなの!」
「心配しなくても、言わないよ」
右手で頬杖をついて、含み笑いを浮かべる。
それを見て、安心しそうになった気持ちを引き締める。

