擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~



「そんな、可哀想な人を見るような目で見ないでよ」

「そんな目してた?」

「してた。勝手に妄想して、哀れんだんでしょ」

あ、当たってるかも・・・。


結城君は呆れたように溜息を吐いた。

「言っとくけど、俺は辛いとも助けてほしいとも思ってない。自暴自棄にもなってないし、悪友と縁を切りたいとも思ってない」

結城君は鋭い視線で私の目を射抜いて離さない。

さっきも、こんな目をしていたんだろうか。

「先生が手を焼くのも、俺が先生の生徒だからだよ。卒業したら、気にならなくなる」

そう言われてしまうと何も言えなかった。

もちろん、卒業しても相談にのったりするし、いきなり生徒のことを忘れたりはしない。

だけど、今までのようには接してあげられない。

どうしても、意識が薄くなる。


「今だけのことなら、ほっといてくれる?」


なんて、冷たい目をするの?

何もかもわかったように、諦めているのはどうして?

君の世界が全てじゃないのに。

もっと、広い世界がすぐ側にはあるのにどうして飛び込まないの?

飛び込めないのは、どうして?