何だか落ち着かなくて、すぐにカップのふたを取ってアイスを口にし、「美味しいよ」とこの場の空気にそぐわない言葉を敢えて発してみる。
けど、ただ虚しく聞こえるだけだ。
「・・・バレてないよ。きっと、大丈夫だから」
賑わったあの場にいた人達が正確な状況を読み取れた可能性は低い。
たった、それだけの根拠。
「うん、助かったよ。庇ってくれて」
きっと、なんて曖昧な慰めしかできなかったのに、結城君はそれで安心してくれたみたいに笑う。
「庇ってくれたのは結城君でしょ」
「だって、同盟組んだ仲じゃん」
ふわり。
柔らかく笑った結城君にどきりとさせられた。
同盟なんて、一方的に組まされたものだし、結城君には振り回されっぱなし。
だけど、秘密の同盟も悪くはない。
そう思う程、結城君の笑った顔は綺麗だった。
「あの2人は友達・・・?」
「うん。夜出歩いてた時に駅前のクラブで知り合った奴ら。根は良い奴らだけど、短気で喧嘩っ早いのが玉に瑕」
「最近見てないって言ってたけど、夜出歩くのやめたの?」
「気まぐれだよ」
「・・・そっか」
結城君が庇ってくれたことで、私は助かったけど、あの時の結城君に恐れをなした2人の気持ちはわかる気がする。
殺すよ、と躊躇無く呟いた結城君の口調には私が知らない闇の部分が垣間見えたように思う。
そういえば、夏休み中のコスプレイベントで助けてくれた時にも結城君の冷淡さを感じた。
結城君がやけに大人びていることも、正義感に嫌悪を示すのも、酷く現実主義的で冷めた様子なのも、
そんな闇の部分が生み出していた性だったのかな・・・。

