「何だよっ、このクマ!?」
う、うわあぁ、怒らせたぁ。
いや、こんなの誰だって怒るよねぇ。
ちょーっと、邪魔できれば良かっただけなんですよー・・・。
頭突きを食らわせた男の子がクマの頭を両手で力一杯掴んだので、目をギュッと瞑った。
「手出したら、殺すよ」
ゾクリ、とした。
一言で私達の周りの空気だけが変わった。
すぐ側の喧騒が遥か遠くの出来事かのように思える程。
淡々とした口調なのに、有無を言わせない圧力。
今の、結城君・・・?
「後で顔出す。ここは間が悪いんだ。引いてよ」
結城君がどんな顔をしているのかわからない。
唯一見える2人の表情から悟ったのは、2人が結城君に恐れの色を見せたということ。

