擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~



「用?」

「うん。何か食べる?」

「は・・・?」

「わかってる?宣伝はついで」

「じゃあ、本命は何なの?」

「だから、文化祭を回ること。俺と文化祭デートでも楽しまない?」

「はいぃっ!?」

「反応いいね。じゃあ、行こうか」

手を取ろうとするので、私はそれを振り払う。

「何?何で私と結城君が?」

「同盟組んだ仲だから?」

「仲だから?じゃない!そもそもデートという3文字は私達には不釣り合いでしょう!?」

「あー、始まった」

「私戻るから」

「ダメ」

「人をからかうのもいい加減にしなさい」

「からかってるように見える?」

クマの口を覗き込んだ結城君の目は真剣そのもので、逸らしたいのにその目から逃れられないと思った。


「なんてね」


ニヤリと笑った結城君が「ドキッてなった?」と試すように訊いてくる。

や、やっぱり!!

危ないっ。危なかった。もう少しで完全に信じるところだった。


「生徒会長って結構多忙なんだよね。文化祭なんかゆっくり楽しんでられないからさ、こうして仕事やってる振りしてればバレないかなって思って。もちろん、付き合ってくれるよね?せんせ?」


もう、なんか、どうでもいいです・・・。



「付き合ってあげるけど、クマは脱がせてよ」

「ダメ」

「何でよ!結構暑いんだから、これ!」

「じゃあ、冷たいもの食べに行こうか」


結城君は私の抗議も無視して、丸々としたクマの手を掴んで、校内に入って行った。