擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~



着ぐるみの反応は様々だけど、宣伝効果としては上々。

それに、こっちは顔が見えないし集まってきた女子に「可愛い可愛い」と連呼されると、ちょっとポーズをとってみたくなる。

最早、これは反射だ。

「調子、出て来たじゃん」

なんて、隣の結城君に笑われた。

どさくさに紛れて軽く頭突きを食らわそうと、頭を傾けると簡単に避けられ、鼻で笑う。

「残念でした」

ムカつく。

「あのー、私達興味があるんですけど、場所がわからなくてー、案内してもらえませんか?」

他校生の女子2人が結城君に上目遣いでお願いしている。

最初から結城君がビラ配っていれば、勝手に客が集まったんじゃないの?とか思ってしまう。

それくらい、2人の眼中には結城君しか入っていない。

「いいよ、ちょっと待っててね」

そう言いながら、近くで同じビラを配っていた男子生徒に「案内してやって」と2人の他校生を託そうとする。

すると、そのうちの1人が動揺し始めて口を開く。

「え、あの、あなたは」

「ごめんね。僕はこれから用があって案内できないんだ。是非、楽しんで来てね」

あからさまに落ち込んだ2人を、少し気まづそうに男子生徒が引き連れて行った。