「美原先生を見失って、やること無いなら付き合ってくれない?」
「やること無いわけじゃないんだけど」
「何するの?」
「・・・見回り」
「俺、生徒」
「あのね・・・、そうやって言えば私が何でも従うと思ってるの?」
「先生の可愛い可愛い生徒がお願いしてるんだよ」
「だったら、もう少し可愛気ある言動を心掛けることね」
「先生は生徒を見捨てたりできない先生だって思ってるんだけどな・・・。で?先生、今から何するの?」
別に、生徒を見捨ててやろうなんて思っていない。
それが、いつもいつも憎たらしい結城君だったとしても、だ。
素直に「いいよ」と言えないのは、結城君が自分の手の内で転がる私を見て笑っている様子が目に浮かぶから。
「一応・・・、訊くけど。どこに付き合えばいいの?」
「ひとまず、俺のクラスかな」
「どうして、結城君のクラスに・・・」
「まぁ、来てみればわかるよ」
不敵に笑った結城君の顔は最早見慣れているけど、この後に起こることにロクなことはない。

