「あ、芹沢先生にこれあげます」
「はい・・・?」
「使わなかったんで、どうぞ」
そう言いながら、私の頭にデビルの赤い触覚が付いたカチューシャをはめた。
「じゃあ、いってきまーす」
軽い足取りで魔女姿の美原先生は職員室を出て行った。
「え、ちょっと、美原先生!!流石にその格好で出歩くのは・・・!」
慌てて追いかけようと職員室を出た瞬間、通り掛かった結城君と目が合った。
その目が、私の頭上に移ると堪えきれなかった笑いが噴き出された。
「昨日のコスプレじゃ、やっぱり物足りなかった?」
「ち、違っ・・・!これは、美原先生が勝手に!!」
カチューシャを慌てて外したけど、既に後の祭り。
「いんじゃない?付けとけば。案外似合ってたよ」
「似合ってたまるか」
結城君は何が面白いのか、くつくつと笑う。
あなたの方が余程似合うと思いますけどね、とは口に出さない私の良心。
「こんなところで油売ってないで、生徒会の仕事に戻ったら?」
「油売ってる先生には言われたくないけどね。美原先生なら、とっくにいなくなったけど?」
「そうだった!どっちに行った?他校生もいるのにあんな格好で歩き回るなんて!」
「向こうに行ったと思いますよ。僕も見つけたらそれと無く注意しておきますから」
他校生が結城君をチラと見て、コソコソ何かを話し始めた。
・・・他校にまで抜かりないのは流石、としか言いようが無い。

