擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~



「俺さ、芹沢に会って中学時代の卒業アルバム探したんだよ」

そう言いながら、黒のビジネスバッグを覗き始めたので「持って来たんですか?」と目を丸めた。

「懐かしいなって思って」

日焼けした卒業アルバムをテーブルの上に置き、佐久間さんがページをめくり始めた。

「結構馬鹿みたいな写真もあって、面白くてさー。芹沢見たことないだろ?」

当たり前だけど、開かれるページには私の知らない写真ばかりが収められている。

佐久間さんと私の繋がりはバスケ部という、学校生活で言ったら、たった一部分に過ぎない。

中学の時は、どうして私は先輩の1つ下なんだろう、と本気で悩んでいたっけ。


「でさ、これに芹沢映ってんの。知ってた?」

「え!?」

開かれたのは、それぞれの部活で撮った部員が集合した写真。

バスケ部員の端に中学生の私が映っている。

「ちょっ、恥ずかしいっ」

慌てて写真の中の自分を手で覆い隠す。

「はは、何でだよー。懐かしいだろ?」

「懐かしいですけどっ」

「顔、真っ赤だし」

「恥ずかしいんですっ」

アルバムを無理矢理閉じて、笑っている佐久間さんに押し付けた。