「んー、もう少し、ね」
「えー、気を付けてよ?この辺り、暗くて変質者も出るらしいから。ほら、女子寮が近いじゃない?」
「ありがとう。私は平気だから。柏木さんは結城君にちゃんと送り届けてもらうようにね」
「だって?よろしく、肇君」
「はいはい。そのつもりだから」
結城君は苦笑を浮かべ、少しだけ本性の部分が出てきたように感じた。
柏木さんには気を許しているのかもしれない。
「ばいばーい!また明日!」
「また明日」
柏木さんが大きく手を振るので、それに応えて振り返す。
2人の後ろ姿は付き合っている高校生カップルのそれにしか見えなくて、私は安心し、その自分に気付いてまた安堵して、再度仕事に取り掛かった。

