「私のこと、もう充分からかえたでしょ?そろそろ帰ってくれない?」
「そんなに俺がいると困る?」
「困るっていうか、やっぱり生徒には見られたくない姿なんだよ」
結城君は深く溜息を吐いた。
「別にさ、隠したいものは隠せばいいと思うけど、自分の好きな事に偏見を一番持ってるのは先生だよね」
呆れたように私の顔を覗き込むので、咄嗟に私は視線を逸らす。
「好きな事なら、それをやってる時くらいは自信持ったら?じゃないと、どっちの自分も嫌になるよ」
「わかったような事言わないでよ。嫌がらせしてるのは結城君なのに」
「そういう事にも屈しないのかと思ってたけどね。面白くないな」
「私は結城君のおもちゃじゃないの。面白いとか面白くないとか結城君の意味わからない基準で測らないでよ」
結城君にとって脅しネタを撮ってからかえれば目的は果たしているはずなのに、何故自分まで学ランを着て女子達に囲まれて疲れた顔をしているのか、理解ができなかった。

