何とか結城君を救出すると、深い溜息を吐いて会場の休憩スペースに置かれた椅子に座って疲労を顔に表していた。
「何なの?あんなに写真撮るもんなの?」
皐月は少し離れたところで同じ漫画の登場人物と一緒に写真を撮っていて、私はまた結城君と2人きりになってしまった。
「クオリティーが高いとね、人気が殺到するのよ」
「クオリティー高いの?学ラン着ただけなのに」
「男の子ってあんまりいないし、それがイケメンだったら撮るでしょ」
「先生も俺の顔、好き?」
分かっていてやってるのか、至近距離まで顔を近付けて不敵な笑みを浮かべた。
「ば、馬鹿言わないでよ!」
素早く後退りしてバリアーを張る。
「素直になりなよ。なんなら、一緒に撮る?」
「いい!いらない!」
結城君は体を滑らせ、私の隣に密着すると、耳元に唇を近付けた。
「今日だけ特別だよ?」
私の制御する気持ちとは反して、跳ね上がってしまう鼓動は私の男性経験値がゼロなせいだ。
高校生にときめいているなんて、どれだけ私は未熟者なんだろう。

