擬態化していれば容姿端麗、頭脳明晰、生徒会長もやっていて頼れる男子高校生だ。
モテ無い訳が無い。
「いい子じゃない」
「どこが!」
皐月は騙されているだけだ。
本当の結城君は憎たらしいし、脅しネタを撮るためについてくるような嫌味な奴だ。
「だって、私達を見ても変な目で見たりしないで、ああやってコスプレにも付き合ってくれたじゃない」
今だに囲まれている結城君を指差して「いい子だ」と呟いた。
「私達がやってることをキモイって言う人もいるでしょ」
そう言われて、「そうだね」と何の迷いも無く言えてしまうことが何だか悲しい。
誰が私達の趣味を受け入れてくれるかわからない。
趣味を明かしただけで離れて行く人だっているはずだ。
言われてみれば、結城君が気持ち悪がったことは無く、寧ろ進んで私に近づいて来ている気がする。
理由が面白がっているだけにしても、バレた時に恐れていた予想とは少し違っていた。
なりふり構わず私は結城君を拒絶したけど、結城君、あんな困った顔をして、何を言いかけたんだろう。
「そろそろ、助けてやるか」
紫色の髪を耳にかけ、「よしっ」と意気込むと、人だかりに向かって歩き出した。

