結城君は満更でもない無い顔をして、『風紀委員』と書かれた腕章を腕に巻き付けて安全ピンを止めようとしている。
だけど、その手が危なっかしい。
「意外と不器用なのね?」
クスッと、笑いながら腕章を付け、「はい、オッケー」と腕を叩いて顔を上げると、ムスッとしている結城君が見下ろしていた。
「癇に障った?」
「別に」
完璧主義な結城君は苦手なことを見破られるのは不本意なんだろう。
なんだ、結構可愛いところもあるじゃない。
「何、笑ってんの?」
「別に?」
「写真、ばら撒くよ」
「・・・卑怯者」
「何とでもどうぞ?」
せっかく握った主導権も簡単に奪われて、形勢逆転。
口を噤んだ私を見て、満足気に笑って歩き出した。

