「もしかして、その子?」
黒づくめのクールな女剣士に扮した皐月は眼帯をしていない方の目を細めて、ニヤリと笑っていた。
「こんにちは。結城肇です。芹沢先生にはいつもお世話になっていて」
「あ、ご丁寧にどうも」
結城君は素早く私の腕から手を離すと、一瞬で余所行き用の顔を作った。
お互い深々と頭を下げて挨拶している光景は少し異様だ。
「なーんだ、連れてきてたならそう言いなよ」
「違うよ!勝手について来たんだから!」
「こういうの、興味あるの?」
「はい、興味あります。外国では素晴らしい日本の文化だって言われてますよね」
善人な方の結城君にすっかり気を良くした皐月は結城君と雑談を楽しそうに交わしていた。
なーにが、興味あります、よ。
いくら暇だからって脅しの写真を撮るために来るなんて、完璧主義と言うより、ただの意地悪ガキ大将だ。

