「でもさ、すごいね?全部先生が作ったの?」
私の衣装を指差して、目を丸めている。
写真に撮られるわ、結城君に直にコスプレしているところを見られるわ、恥ずかしいし、ほんと泣きたい。
「うるさいっ!ここで先生って呼ばないでよ」
虚勢を張りながら再び手を伸ばしてみたけど、結城君が後ろに跳んだので、私はつんのめって結城君に突っ込んだ。
「じゃあ、何て呼べばいいの?」
何とか転ばずに済んだけど、転ばなかったのは結城君に抱き留められたせいだと気付いて慌てて飛び退いた。
「雅ちゃん?」
「ちゃん付なんてやめてよ」
「じゃあ、何?」
「呼ばなくていいから」
「冷たいなー。せっかく」
結城君は屈んで顔を近づけ、遠慮無しにパーソナルエリアに土足で踏み入って来る。
「先生を受け止めてあげたのに?」
悔しいけれど、惚れ惚れとする綺麗な顔が間近にあると、気持ちに細波が湧くことは止められない。
私ができることはその細波を結城君に悟られないようにすることだけど、ミステリアスな微笑みを見ていると、それすらも意味の無い行為なんじゃないかと思えてしまう。

