今でもあいつを。







「さ、さゆりさん?!」








 泣き出した私を見て陸斗くんがあたふたし出す。




 泣きやまないと。私の方が年上なのに。こんな姿見せちゃダメだ。




 わかっているのに、止まらない。










「は……ると………。春斗……」









 陸斗くんが目じりを下げて私を見つめていた。



 心配、かけちゃ、駄目だ。私の方がお姉さんなんだもん。



 止まれ。止まれ。



 俯いて涙が止まるのを待つ。












「兄ちゃん?!」








 顔を上げれば私の方を見つめていた陸斗くんが、春斗の方を見ていた。



 陸斗君の視線の先を、私も見つめる。





 今まで、ピクリとも動かなかった布団が動いていた。


 春斗の目が少しだけだけど開いていた。









「んっ……、ここ、どこ………?」









 久しぶりに聞く春斗の声。




 もっと涙があふれ出る。