「....誰」


「はっ、はぁ?
言うわけ無いじゃん!
あっ、言っとくけど紘じゃないから!
私の好きな人は、紘みたいにうっとおしくないし、馬鹿じゃないし。
紘とは正反対の人だよ。」



....しまった。

ぜんぜん思ってもないことをいってしまった。



....怒るかな?


「あ、そ。」



「....紘?」



「....もういい。俺もお前なんか、
嫌いだし。もう近づかねえ。」




「....ひ、ろ?
何言ってんの?」




ーーー頭が、真っ白になった。



「その好きな奴と仲良くな。
俺、帰るわ。」




....え、まって



「まって、紘、」



うざいとかおもってないよ
ごめんね


って言いたくて、
咄嗟に紘の服の裾を掴んでしまった私の手は


無残にも


「さわんな。」




ーー振り払われてしまった。