戸田刑事は静かに話し始めた。 「籠島和也は、幼い頃両親が離婚して、父親に引き取られました。 母親は男をつくって出ていったんです。 離婚する前から母親は家にいなくて、食事も与えてはくれなかった、そんな母親でした。 だから籠島和也は自分の血が……憎い母親の血が通った血が汚く思えて嫌いだったそうです」 確かに、和也くんは言っていた。 僕の血は汚い、と。 「ですが、籠島和也は、母親のことを実は愛していたのかもしれません。 …………これを見てください」