金平糖心中

「ハナ、」

そのとき、突然名前を呼ばれた。振り向くと、口のなかになにかを放り込まれた。

小さな凹凸のある固まりは、唾液で溶けて、口のなかを甘い液体で満たしていく。

「なにこふぇ」

「ん、金平糖」


美味しいでしょ。と甲斐田が不敵に笑う。

砂糖の塊を口のなかでからころと転がしていたら、さっきまでの憂鬱はどこかへ吹き飛んでしまった。



雲は未だ、空を覆っている。