甲斐田のあとに続いて、私は校門を乗り越えた。

日頃から部活で養った運動神経のおかげで、校門をよじ登ることなんて容易かった。


一部の生徒しか知らない扉から校舎に入ると、昼間とは全く異なる表情をした教室や廊下を見ることになった。

とても暗くて、そして少し怖い。


つい、甲斐田のシャツの裾をきゅっと握ってしまった。

甲斐田は一瞬動きを止めたけれど、何も言わずにずんずんと廊下を突き進む。

そして校舎中央の階段を上り始めた。


この校舎は3階建てで、その上には更に屋上なるものが存在している。

私たちが向かうのはその最上階。

屋上だ。