「さあルイコ! 次も行くよ!」

「うん!」


わざと大声で喜び合い、相手の怒りを誘う2人。
作戦ってか、元々の性格ってか。


「そうはいかないわ……あんなボールのやつに負けるもんですか……!」

「姫、でも気をつけて。あの前衛、サーブが下手すぎてどこ飛んでくるかわからないなおかつスピードが遅い方にとんでもないさらにさらにボールを打つこと自体下手だからコートに入れるには超ポヨヨンボールしか打たないらしいししか「次挽回ー!」」


……ぷちっ☆(^∀^)


……姫のシカトにぷちっといっちゃった某子はその後暴走に暴走を続け、1点取っても喜ばない、とられても悲しまない……というか1点もマリたちには取らせず、結局3ゲームストレートで試合は終了してしまったのでした。


マリルイヨシワリ、1回戦敗退。

いつの間にか終わっていたヨシワリは、1点も取れずに負けてしまったとのことです。


「どんだけ弱いの、あたしたち!」


自嘲気味にマリは言って、ははは……と乾いた笑い声を漏らすも、このどんよりには効果なし。


「それが私たちの実力なのね……はあー……はあー……」


そんなあからさまなため息とかやめて。


「こっちまで落ち込むよ……」


ヘタレ。


「でもさ」


肩は落としていても、どこか毅然とした態度のワリ。
顔を上げて言いました。


「失敗は成功の元って言うように、これを糧に成長していけばいいんだよ。負けた経験があるからこそ、勝った時にその価値がどれだけのものか理解できるだろ」

「……そうだね!」

「ワリ、ありがと」

「すげー……ワリ」


この小説内で発された、初のまともなセリフ。

誰もが少なからず感動していました。


しかしその裏で。


(この……いいとこ取り!)


って、3人共思ってたらおもしろいなーって。それだけです。