「マリ! ルイコ! 早く!」


半分切れ気味のヨシワリと、息切らしてぜいぜいのマリルイは、予定より3本遅れの電車に乗り込みました。



到着して、全力疾走する4人ですが……


『棄権』


試合会場のトーナメント表。4人の名前の上には、そう書いた紙が貼られていました。


「何でっ!? まだ受け付け2分前……」

「受け付けは15分前にすませとけって言われてたからなあ……」


何気にしっかりしてるワリ。


「仕方ない……か」


ため息ついて諦めモードのルイコ。

2人をおいて電車に乗っていれば、余裕で間に合っていたワリと(ワリに起こしてもらって何とか寝坊をまぬがれた)ヨシの気持ちなど、露知らず。


「何言ってるの!? まだ諦めちゃ駄目だよ! まだ2分あるんだよ!?」


それお前が言うか顔のヨシワリ。


「私たち、あんなに頑張って来たんだよ? 練習の日々を思い出して。あの辛い日々は何のためにあったの!?」


せめて黙ってろ顔のワリ。

しかもルイコが猛特訓してる間お前ごちゃごちゃ文句言ってただけだろ顔のヨシ。


「そうね。とりあえず、本部に行ってみましょ。何か手立てがあるかもしれないわ」


もう表情を変える気力さえない男陣は気にも留めず、マリルイは本部テントの方へ向かいました。