よし、とりあえずやっぱり声かけるなら隣の席からだよね。









「あ、あの水谷夢希です。
えっと、よろし…」




そこまで言って気がついた。









「え?」


そう言って私の方を向いた隣の席の人。







「…ひぃっ!!
…や、なんでもないですっ」





おもわず私は小さな叫び声を発してしまった。




そして全力で隣の人から目をそらして前に向き直った。





だって隣に座っていた人は見るからに不良だったから。







金髪でピアスたくさんついてるし、なんか制服もちゃらい。










「“ひぃっ!!”ってなんや。
自分から話しかけてきたのにー。」


しかも関西弁!







「…す、すみませんでしたーっ!」





私は思わずそう叫んで勢いよく席を立った。





そして不良に話しかけてしまったという驚きと恐怖で教室を走り出た。








クラスの皆が私の大声に驚いて私を見たいたが気にせず走った。








「えっ、ちょっと待てよっ」






後ろから不良の呼び止める声が聞こえた気がしたけど
聞こえなかったふりをして逃げた。