「水谷夢希 (みずたに ゆき)です。
よろしくおねがいします。」
11月。
2学期の途中。
ものすごく中途半端な時期の転校。
「じゃあ水谷の席はそこな。」
先生はそう言って後ろの端の席を指差した。
人見知りな私にとって転校すること自体辛いのに、
この中途半端な時期に転校は辛すぎる。
私は先生が指定した席に静かに座った。
私が座ったのを確認すると
先生は教室を出て行った。
周りの皆は1時限目の授業の用意をして
1時限目の担当先生を待ちながら
友達同士で話をしたりしている。
きっとこの時期だから
皆グループとかもうあるんだと思う。
そんな中
友達を作るのは難しいかもしれないけど
自分から声かけないと
なにも始まらないよね。
この半年ぼっちになっちゃうのも
嫌だしね。