「って、なんで方向知ってるの…」 何も言わず歩く鬼神は確実に私の家の方向に向かってる。 「…お前がこの前、こっちに走ってったんだろ」 「……」 「バカか」 この前って…あ、この前か。 「で、こっからは?」 「……家」 「あ?」 「……あんたに家知られたくないんだけど」 そう言うと、鬼神の眉間にシワがよる。 「お前、まじで自覚ねぇなぁ」 大袈裟にため息をつくと私の手を放した。