「うん、ちょっと外出るね」 「おー"外"はいくなよ」 「はいはい、分かってる」 平然を装いそう言って、 ケータイを握りしめて部屋から出た。 何人かは話せる人もできたけど 下に降りるのはまだ怖いから 階段の途中の踊り場で立ち止まる。 未だ鳴り続けるケータイ。 「…………」 一度深呼吸をしてから 私は通話ボタンを押した。