「ミウ、ケータイなってね?」




放課後、倉庫でボーッとしていると
いきなりタイチにそんなことを言われる。


今はみんな用事でタイチと二人だ。




「ケータイ?あーカバンに入れっぱなしだ」

「お前ほんとケータイさわんねぇもんな」

「んー?だって別にだれからも…」




タイチと会話しながらカバンを漁って
ディスプレイを見て一瞬固まる。




「…どうした?」

「ん?なんでもない」

「…でねーの?」




それを見逃さなかったタイチが
少し伺うように私を見る。