「あぁ」 そう言ってポンっと私の頭に手を置いた鬼神。 いつものふざけた調子でもなく たまに見せる真剣な声でもない。 「立てるか?」 こんな声、聞いたことない。 「…悪い、遅くなった」 暗くて見えない鬼神の顔。 ねぇ、あんた今どんな顔してるの? 私、大丈夫だから そんな、らしくない声出さないでよ。 こっちが苦しくなるような声出さないで。