「大地!だーいーちぃーーー!!」
叫び続ける。あなたが出てくるまで。今日が楽しみで、大地の好きな服を着て、慣れないメイクをお姉ちゃんに教えてもらって自分でした。今日こそ、言ってやるんだ。この思い。


大地がトイレから戻ってこない。もう2曲も歌っちゃったし。大地に意識してもらえたらと思って普段歌わない恋愛ものばかり歌ってる。
なのに、大地の顔は曇るばかり。なんか、私に歌ってほしくないみたい。なにが、いけなかったのか、わからない。
ガチャ
「あ、大地!どうした?大丈夫?」
「いや、別に」
「そう?ならいいけど……」
「ほら、歌えよ」
「……顔、怖いよ?」
「うっせ!もとからだよ!」
なにがきっかけかわからないけど、さっきより明るくなった。まぁ、よかった。
「大地もなんか歌ってよ」
「うっし、歌ってやるよ」

それからまた2時間歌って、暗くなったから外で食べていこうか、ってことになった。


「ファミレスでいい?」
「どこでもー」
「その答え一番困る」
「知ってるー」
「どこぞのカップルと同じこと言うなー」
ははは、二人で笑いあった。変な目で見られたけど、気にしない。




今が楽しいから。