「純佳と奏、やっとくっついたね」
「だなー。お前さ、好きなやつとかいんの?」
「……いる……わけないで…しょっ!」
しゃべりながら、持ってたカバンをブンブンふって、言い終わったと同時に大地に投げつけた。……人の気もしらないでっ!
「いってえぇ!?なにすんだよ、ばか!」
「大地はいないの?」
「いきなりだな、そして謝れ」
「やだし」
「じゃー教えてやんない」
「!うそ!ごめん!」
「必死ー」
はははってバカにして笑うからまたカバンをぶつけてやろうかと思った。
「教えてやるよ、俺の好きな人は……」
お前だよ、なんてまだ言えない。生憎そんな勇気、まだ持ち合わせていない。
「いねぇよ、ばーか」
「!ばかばか言うなー!ちぇっ!いたら広めてやろうと思ったのにー」
「うわ、これからできても絶対教えてやんねーよ」
「えええええええ!!!親友じゃーん!」
「こんなときに親友使うなー」
「あ、文化祭なにやる?」
「そういえば決まってないな。んー、お化け屋敷?」
「えええぇぇぇ……お化け嫌い……」
「本物じゃないから!それに他なんかあるのかよ」
「……メイ「却下」早い早い!なんで!?」
「先生がなぁ……大体そんなマンガとかドラマみたいなことできねぇよー」
「チッ……んー、じゃあ」
「舌打ちすんな!俺のせいじゃねぇし!」
こんな談笑をしてる間に家についた。いつものことなんだけど、今日はちょっとさみしい。
「……大地」
「なんだよ」
「今日泊まっていい?」
「……ばかか、お前」
「だってぇぇぇ……大地がお化けとか言うから怖くなってきたんだもん!」
「だもんじゃねぇよ、絶対だめ」
「……じゃあ、いいもん!明日遊んでー!」
「……チッ……仕方ねぇな」
うっしゃ!!久しぶりに遊べるっ!!
「適当にそっちいくからー」
「ん、待ってる」
そんな軽い言葉にも、胸の奥がズクってなる。……どんだけ好きなんだか。自分でも呆れる。





明日、何着て行こうかなあ。大地の好きなふわふわ系にしようかな。