今日は、いつもと違うの。


サイドの髪を丁寧に編み込んで、


全体を綺麗に巻くの。


軽くメイクをして、磨いた靴を履いて


玄関を出るの。


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〝 明日さ、デートしよ 〟


たったこんだけのメールで


ものすごく舞い上がった。


明日はちょうど1年記念日。


最近は喧嘩が多かった。


私 橋本藍那は、


スマホの待ち受け画面を見る。


彼氏の河本唯斗とのツーショット写真。


見てはニヤけての繰り返し。


〝 うん!じゃ放課後、校門で ♡ 〟


返したメールに♡なんかつけてみた。


唯斗は喜んでくれるかな?って


そればかりが頭をよぎる。


お母さんが早く寝なさいって


怒っている声が聞こえたので、


私はスマホを握りしめて眠った。


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次の日の朝は、いつもと違う。


サイドの髪を丁寧に編み込んで、


全体を綺麗に巻いた。


軽くメイクをして、磨いた靴を履いて


玄関を出た。


ワクワクしながら学校へ向かった。


〝 今日さ、超楽しみ。


まだ学校着いてないよんな?


早く会いたい。抱きしめたい。 〟


唯斗からのメールは


私の心をもっとドキドキさせた。


〝 校門なう! 〟


私は唯斗にメールを送った。


教室のテラスから唯斗が


「あいなー!」


と叫んできた。


「唯斗!おはよう!」


私は叫び返して、


教室に向かい走った。