たどり着いたのは“あの道” 何度目の景色だろうか 自転車にまたがってハンドルを握りしめた 「千夏、捕まって」 夕日が見える 「今日は、いい」 !! ………… 「今日は、違う道でいい」 ………… 手に力が入る 「………行くぞ。捕まれ」 頼む 捕まってくれ ……………――――ギュッ あ…… 視線を落としたら千夏の手が見えた 背中が温かくなった 「カズくんの匂いがする」