「そろそろ帰るか」
帰りに立ち寄ったのは“あの道”
「ちゃんと捕まれよ」
「大丈夫!」
よし…
「行くぞ!!」
神社から少し行った先にあるのは長い下り坂
この道を一気に駆け下りる
「気持ちいい!もっと早くして!」
このスピード狂が
「無理っ!バランスとれねえ」
……つ、疲れた…
結局、ノンストップで千夏の家まで帰ってきた
「いいトレーニングになったねえ」
くっそう
「…千夏」
「なあに」
「アレも貸して」
「あんまり効かないよ?」
「少しでも多く願掛けしたい」
千夏は自分の髪をほどいて、
結んでいたゴムを貸してくれた
「ピンクかよ」
「だって、言われると思わなかったし」
ま、いいや
ゴムを左の手首にはめた
「負けるまで外さない」
「来週見に行くね」
「おう。じゃあな」
―今年は絶対に負けない!!

